「『花屋さん』だとどうして困るのか教えてよ。」~二月の勝者より

二月の勝者

「小4の二分の一成人式でも『花屋さん』って言ったら、『それじゃ困るわねぇ』って言うの。『花屋さん』だとどうして困るのか教えてよ。」

二月の勝者で、「将来の夢」の作文に何を書いたらいいのか佐倉先生に質問してきた浅井紫ちゃんのセリフです

子供の将来の夢って、なんて答えるのが正解なんでしょうか?

犯罪者になりたいとか言われたらさすがにそれはダメだと思いますが、一般的な職業とかであれば何でもいいのではないか?と思います

もちろん、花屋さんだっていいと思います

「それじゃ困る」といった紫ちゃんの親御さんは何を思ってこの発言をしたのでしょうか?

「いい中学に入って、いい高校に内部進学し、東大をはじめとする一流大学や医学部などにいって、一流企業に勤めたり官僚になったり、あるいは医師・弁護士といった専門職につくのが正解」とでも思っているのではないかと思います

もちろん、それは悪いことではないと思いますが、そのような親の価値観を押し付けてしまうのはよくないんじゃないかと思います

中学受験を前提としても、もっと言いようがあると思います

たとえば、花屋さんになったとして、当然、たくさんの花の仕入れもありますし、経営をしていくなら帳簿をつけなければなりません

花屋さんになるためにも、「算数をきちんとやらないといけないよ」ということもできるはずです

あるいは、接客の関係でコミュニケーション能力も必要になります

「そのために、国語をしっかり勉強する必要があるよ」、ということもできるはずです

先述べたような学歴社会の典型的レールに乗った先の職業を将来の夢として押し付けるのではなく、子供の今の考えを尊重して、それを受験のモチベーションに変えてあげるのがよいのではないでしょうか

あと、親御さんが「花屋なんて儲からない仕事」と思って紫ちゃんの夢を否定したなら、不見識と言わざるを得ません

個人的には、仕事で知っている花屋さんには、本当に儲かっているところもたくさんあります

「花屋なんて儲からない仕事」というのは、完全な思い込みに過ぎないでしょう

私自身は、比較的学歴社会のレールに乗ってきた人間で、現在の仕事でもそれなりに安定して所得を得られていますが、実際に仕事についてみると労働集約型の代表格ともいうべき弁護士の仕事について大変に思う部分も当然あり、経営者サイドに回っている花屋の経営者さんをうらやましく思うこともあります

一方で、学歴というのは、基本的にあって困るものではないですし、将来の可能性、選択肢を広げる一つのツールだと考えているので、子供にはある程度の学歴は与えてあげたいと思っています

そんなわけで、子供と将来の夢を語りあうようなことがあっても、自分は決してそれを否定しないでおこうという気持ちを新たにした次第です

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